「勉強のやり方を教えていただけないでしょうか。」という質問を最近本当によくいただきます。
教える側としてはこの質問を聞いたらいくつかの可能性を考えます。
ぜひお家の方も「あっこの子、勉強のやり方わかってないのでは?‼」と思ったらどのパターンかよく見てあげてください。
【あなたはどっち?】まずは大きく分けて2パターン
まず大きく分けて2パターンです。
①日々の勉強時間ほぼ0タイプ
②勉強しているのになかなか成績が伸びないタイプ
そもそも勉強しているのか、していないのか。
この違いで最初の考えるべきアプローチ方法は大きく異なります。
②のタイプはさらに細かく分かれます。(②のさらに細かいパターン分けは以下で)
次にそれぞれのパターンを詳しく見ていきましょう。
①日々の勉強時間ほぼ0タイプ
こちらはとってもわかりやすいですね。
「普段何も勉強をやってなさすぎてどこから手を付けて良いのか、何をして良いかわからない」というタイプです。
やっていないのだからできないのは当たり前です。
そして、やっていないのでどこからやったら良いのかわからない。
どこから勉強を始めれば良いのか?と聞かれたら、このタイプの方には「学校のワークの基本問題だけひとまず解けるかどうかチェックから始めましょう」と答えます。
まずは己を知るところからです。
普段勉強していないのですから、いきなりやってみて解ける問題もあまり多くないでしょう。
その場合、教科書の例題やワークの最初に書いてあるポイントを読んでそれを見よう見まねで解いてみましょう。
それで解ければあとはそれを何も見ないで解けるようになれるよう繰り返し解けば良いですし、それで手を動かせないのであれば教科の内容そのものを誰かに教えてもらう必要があります。
この手のタイプは逆を言えば伸びしろたくさんなわけなので、結果もすぐに表れやすいです。
ただ、このタイプの場合日々の勉強習慣が身に着いていないということですので、いかに今後勉強習慣を平行して身に着けていけるかどうかが課題です。
勉強習慣が身に着けられないといくらやってもやったその場はできるけど翌週には忘れる…ということを延々と繰り返すことになってしまいます。
②勉強しているのになかなか成績が伸びない
「勉強をやっているのに一向にできるようにならない」というタイプは普段の勉強習慣をよく見直す必要があります。
こちらの方が原因を見つけにくく、見つかるまで、そして改善するまでに結構時間がかかります。
こちらのタイプはさらに細かいタイプに分かれます。以下のどれに当てはまるのかチェックしてみてください。
②ー1.課題はきっちりこなすが、間違い直し・解き直しに問題がある
②ー2.宿題の最初の取り組み方に問題がある
②ー3.やっている単元(科目)以外のところに根本原因がある
②ー1.課題はきっちりこなすが、間違い直し・解き直しに問題がある
宿題を終わらせることに目的を置いてしまっているとこのタイプに陥りがちです。
問題をすべて解くまでは力を注ぐのですが、解いたあとの○つけ、間違い直しは雑になってしまっています。
日々生徒にやってもらった宿題を見せてもらうのですが、間違っているのに○をつけている場合が意外と多いです。
ここが雑な生徒さんはお家の方に答え合わせが合っているかダブルチェックをしてもらいましょう。
また、○つけまではしっかり行っていてもその後の間違い直しが不十分な人、その後解き直しをやっていない人がかなり多いです。
大抵の「勉強しているのに成績が一定以上上がらない」という生徒はだいたいここに当てはまります。
間違っている問題は正しい答えを写すだけになっていないか見直しましょう。
計算問題であれば自分の途中式を見直してどこで間違っていたのか、文章題であればどこまではわかったけどどこからがわからなかったのか?というところを徹底的に詰めないと同じミスを繰り返してしまいます。
②ー2.宿題の最初の取り組み方に問題がある
講師も見落としがちなのがここです。
宿題を見せてもらうと正解しているものも多く、途中式もしっかり書けている。
間違っているものもほんの少しあるくらいで、「宿題でどこかよくわからないところはなかった?質問したいところある?」と聞くと、「ないです!」と生徒は答えます。
「前回やった内容は概ね大丈夫そうかな?」と思っていると、似た問題をやったときに答えられなかったり、基本知識を聞いても答えられなかったりという場面が多く見受けられ、だんだん「あれ?わかっているようでわかっていないのでは?」となるんです。
すぐに発覚すれば良いのですが、テスト範囲がかなり大量でとにかく先に進まなければいけない状況でひとしきり進めた後に発覚する最悪な場合もあります。
ただ単にまだ定着しきっていない、ということもあるのですが要注意な場合は公式が言えなかったり、以前解説したところと同じところを何度も間違えたりする場合です。
こういうパターンに陥る生徒に宿題をどうやったか聞くと、「公式や要点のまとめを見ながら解いた」とか、「わからないところにあたる度に解説見てヒントもらいながら解いた」と返事が返ってきます。
頭に入ったから解けるのではなく、直前に見たから解けるパターンは意外に盲点になりやすいです。
たとえ正解していても最初から最後まで自力で解いたのかどうか聞くようにしています。
また、生徒自身にもまったくの自力で解いていないもの、少しでも何か見て解いたものは色ペンでチェックを付けておくように伝えています。
それでもチェックをつけない生徒いるんですよね…
とにかく正解すること、ノートに○が多いことに意義を感じる生徒も案外多いように感じます。
やってもらった内容を目で見ただけではわかりにくいので注意です。
②ー3.やっている単元(科目)以外のところに根本原因がある
例えば中学数学の方程式や連立方程式で、「今年は前年の○%増えた(減った)」という問題や、理科での食塩水の問題や湿度計算のところとか、「どんなに解説しても他単元と比べるとなかなかスッと入っていっていない気がするな?」と講師が感じる場面があります。
そういったスッと入ってきにくい内容は、もっと根本なところが原因な場合があります。
上記で言えば掘り下げてみると方程式や連立方程式の文章題がどうこうというわけではなく、実は小学校で習う割合がよくわかっていなかったことが原因だった、というパターンです。
このパターンにはなかなか克服に時間がかかります。
今習っている単元意外のところの原因を見つけとしてもその根本原因のところまで戻ってやるだけの時間も捻出しなければいけません。
なのでやはり余裕を持って早めに進めていきたいわけです。
学校で習っているところと平行で進めている場合ですと今習っているところの復習で忙しく、さらにその前のところまで時間がないということになってしまう生徒もいます。
人によってですが、テストが終わるのを待って戻って復習したり、長期休み中に復習したりとどこかで時間を作ってやったりと対応していきます。
自戒も込めて、なかなか成績が上がらないぞ?という生徒さんはこのどれかに陥ってしまわないか慎重に判断していきましょう。
②タイプは1度講師に見てもらうのもアリ
まったくこれまで勉強していなかった、という方々は1度自分でどこまでできるのかやってみると良いでしょう。
逆に、②タイプっぽいんだけどどうしたら良いのかわからない…という方は学校の先生、講師など1度客観的にどこが改善点なのか見つけてもらうと突破口が見つかるかもしれません。
②タイプをいかに対処できるかが講師の腕が試されるところでもあるのかなと思います。
逆にここがしっかりできていれば時間はかかっても成績が伸びないはずないんですよね。