別記事にて、地方出身者が難関大へ望むために小学生時にやっておきたいことを紹介した。
そこで今回は中学時にやっておきたいことをお話する。
ただし、1つ重要なことがある。
それは、小学生時にやるべきことをやらずして中学内容の力はつかないということだ。
そのためにも、まずは小学生編の内容を確認しこれらが本当にできていたか?を振り返ってほしい。
そして、それらができている人だけがこの先を読み進めていくことができる。
【地方出身者の大学受験構想】中学生のうちはここを意識!
いよいよここから本格的に受験に向けてのスタートだ。まずは、高校受験だ。
地方出身者はその多くが高校受験をするだろう。
どの高校に入学するかで、どの大学レベルを狙えるかが決まると言っても過言ではない。そため、高校受験は大学受験へと通ずる重要な通過点だ。
中学生活では高校受験を意識した取り組みが求められる。
次に挙げる内容をチェックしよう。
- 入学前に住んでいる県の高校入試選抜方法を確認
- 自分に合う勉強方法での勉強習慣の確立
- 長期休みで予習復習を進めておく
- 中3時は毎回模試を受ける
これらも次で詳しく確認しよう。
【地方出身者の大学受験構想】中学入学前に住んでいる県の高校入試選抜方法を確認
いざ中3になる時期になって初めて知る人も多いのだが、自身の県の公立高校入試選抜方法は中学入学前に知っておくとそれを前提に動くことができる。
調べておくべきは以下の項目だ。
- 内申は何年生から評価に入るか
- 志望校と成り得る高校の選抜方法(配点)
- 外部試験資格の評価の有無
県によっては中1の通知表の評定から入試の評価の対象になっているところがある。この場合は決して少なくない。
中1の最初の定期テストから高校入試の評価対象となるかもしれないので、前もって知っておき内申を稼いでおきたい。
また、可能な限り志望校となりうる学校の最新の評価方法を調べておくと良い。
同じ県内でも高校によって配点が違うことがある。内申点を倍にして評価したり、学力検査ではとある教科の配点比重を高くしたり、学校によって特色が違う。
そのため、似た偏差値の学校でもこの学校には有利だけどこの学校には不利、という状況が生まれるのだ。
また、これも県や高校によるが外部試験の取得資格が得点にプラスされる場合もある。
英検・漢検・数検など、一定以上の級に合格しているとそれも選抜時に加点してもらえるのだ。
これらの外部試験は受験生になってからではなかなか勉強する時間が取れないので、中3になる前に取っておきたい。
後から気付いては取り返せないので、最初から自身の住む地域の高校入試制度は把握しておこう。
※ただし、入試の仕組みは中学3年間の途中で変わることもあるので、必ず毎年最新の情報をチェックするようにしよう。
【地方出身者の大学受験構想】中学生時に自分に合う勉強方法での勉強習慣の確立
中学生のうちに勉強に関して絶対にやっておかなければならないのが、自分に合った勉強方法と勉強習慣の確立だ。
受験生になってから勉強法を探していては正直遅いので、中3までのうちになんとかしたい。
中学生からは一人で勉強しなければいけないと思いがちだが、まだまだお家の方の手を借りても大丈夫だ。中3までに自走(自力で勉強を進めること)できるよう勉強法を試行錯誤しておこう。
高校生からいきなり自主学習ができるようにはならない。中学からの積み重ねが高校の勉強にも生きてくるので、中学生時に自主学習の確立なしで大学受験はありえないのだ。
その際に注目しておくべきなのが、
- 問題を解く→◯つけ→直し→解き直しサイクル
- テスト勉強は計画を立て取り組んだ内容を記録に残す
- わからない問題に対する取り組み方
- 中3時には受験勉強方法も
大学受験でそれなりのレベルを見据えるなら、中学生のうちにこれらは確立しておかねばならない。
問題を解く→◯つけ→直し→解き直しサイクル
勉強する上で超基本となるサイクルだが、このサイクルが確立できていない人は多い。
勉強に関する悩みを抱えている人のほとんどがこのサイクルのどれかに問題がある。
解く→◯つけまでは大体の人たちはこなすが、◯つけしっぱなしという場合が非常に多い。
◯つけした後の間違い直し、そして解き直しが勉強では一番重要なパートだ。
詳しくは過去記事にて取り組み方をチェックしてほしい。
間違い直しでどれだけ理解できたか、そして解き直しで自分がそれを再現できるか。
自分の言葉で各問題の解く道筋を説明できるか生徒に説明してもらい、時折質問をしてその返答を聞き理解できているかどうか確認してみると良いだろう。
繰り返すが、中学生のうちにこのサイクルを確立しておかなければならない。
定期テストの結果、模試の結果で自身にあった勉強サイクルが確立できているかどうかがわかるだろう。
また、勉強時間も学年に応じて段階的に増やしていきたい。
やるべきことをやっていると自然と勉強時間も伸びてきて、それが理想の勉強時間となるはずだが、ひとまずの目安としては学年の時間だけ最低限毎日勉強できるようにしたい。
つまり、中1なら1日最低1時間、中2なら最低2時間…といった具合だ。
テスト勉強は計画を立て取り組んだ内容を記録に残す
できることなら普段から勉強計画を立てられることに越したことはないが、中学生のうちはまずは定期テスト勉強の計画を立てて実行するところから始めよう。
普段から授業の進度に合わせて学校ワークを進めておいて、テスト1ヶ月前くらいからは計画的に勉強を進めよう。そのための計画表だ。
目標を定め、そのために取り組むべき内容を挙げていき計画を立てる。
そして、実際に日々実行した内容も記録に残しておく。
この2つがセットになって勉強計画というものは効果を発揮していく。
筆者は生徒と一緒に勉強計画を立てそれを管理していることが多いが、大人であってもいつ何をやっていて、まだ何はやっていなくて、そして何がまだ復習が必要なのかということを把握するのは取り組んでいるものが多いほど大変だ。
そのため、中学生のうちはまずテスト勉強から勉強計画を立てて実行することを練習しよう。
進捗管理が難しければ、講師やお家の方の手を借りても良いだろう。
わからない問題に対する取り組み方
勉強していればわからない問題に必ず出会う。その時に、その問題をどう解決するかも中学生のうちに身に着けておくべきだ。
どうしてその解答が答えになるのか?どうしてその解き方を使っているのだろうか?
理解できるまで解けなかった問題と忍耐強く向き合えるか。これが偏差値50後半以上の伸びを左右する。
中学生からはわからなくて嫌だなと思う問題も粘り強く取り組む姿勢と、その取り組み方もまた重要だ。
「どこがわからなかったの?」と聞くだけでその生徒の今後の伸びがわかってしまう。
成績が伸びる人は、どこまではわかってどこからわからないのか、自分の理解度を把握できている。
また、難しいと感じる問題も自分なりの答えを書いてみる取り組みがないと、いつまで経っても解けるようにはならない。
同じ失点でも、途中まででも答えが合っていなくても何かしら書き込んであるものと、まったくの白紙のものでは天と地の差がある。前者はどこを改善すれば良いか見えてくるが、後者はどこを改善すれば良いかもわからず成績が伸びにくい。
わからないから、と言って白紙にしていたらいつまで経っても力はつかない。
自分がわからないところを明確に説明できるようになろう。
また、自分で調べてみたけど解決できなかった場合の対処法も持っておこう。
お家の方に教えてもらうのか、学校の先生に聞くのか、それとも塾に通うのか。
選択肢は様々だが、わからない問題をわかりやすく説明して理解させてくれる人は各教科1人見つけておきたい。
さらに、思考力問題はそれぞれの問題の思考ではなく、広く一般に使える考え方を身に着けなければいけない。
中3時には受験勉強方法も
地方出身者はその多くが中3で高校受験の受験生となるだろう。
この高校受験の受験期にがっつりと勉強し、定期テスト対策とは異なる受験勉強方法を身につけてほしい。
受験勉強方法はそのまま高校での勉強方法と成り得るだろう。
受験勉強では、定期テストよりずっと広い範囲での自身の理解できていない単元、苦手克服、模試を活用し隠れた要復習範囲を見つけその対策…などなど、自身をよく知り改善していく取り組みが求められる。
また、各教科をどうバランス良く取り組んでいくかというマネジメント力も求められる。
- 定期テスト勉強との両立
- 基礎を徹底的に見直す取り組み
- 基礎・標準⇔入試レベルと得意不得意に応じて取り組む問題レベルの移行
- 勉強時間の確保
- 長期間の受験勉強を乗り切るメンタル
早くから受験勉強モードに切り替えられる人が受験を制する。
どんなに遅くとも、夏休みからガッツリ受験モードに切り替えたい。
受験勉強のやり方は、そのまま高校での勉強のやり方の礎となる。
受験勉強は勉強の知識をつけるだけではなく、努力の仕方を学ぶのに重要な場だと筆者は考える。
【地方出身者の大学受験構想】中学生時に長期休みで予習復習を進めておく
高校受験では、中学3年間の勉強は公立中学校であれば入試前ギリギリに終わるということがよくある。
定期テストでさえ、テスト直前にテスト範囲が終わることの切羽詰まり具合はわかるのに、これが入試前にも同様の状況になってしまうからなおさら深刻だ。
定期テストであれば、先生が日々の授業進度を考慮してテストギリギリに終わった内容はテストにはあまり出題しない、ということはよくあるが入試はそうはいかない。
試験範囲が入試前ギリギリに終わろうと余裕で終わっていようと、すべての人に同じ入試問題が出題される。
そのため、中学3年間の内容は余裕を持って終わらせておくことをおすすめする。
受験経験者なら実感してきたと思うが、教科書の内容を習ってから入試レベルまで応用できるにはそれなりに時間がかかる。
「基本を習う→基本問題演習→標準問題演習→(他単元の内容も合わせて力養成)→入試レベル演習」と段階を踏まないと解けるようにはならない。ここまで一通り進められるのにどれだけ時間がかかるか?想像してみてほしい。
そこで役に立つのが長期休みだ。特に春休み・夏休みは多いに活用したい。
休み前半はこれまで習った内容の復習に時間をかけ、後半にかけて予習に移行していけるとベストだ。
これを長期休みのうちにやっておけると新学期が始まっても余裕を持って授業をこなしていけるし、定期テスト勉強にも余裕を持って取り組める。
特に受験期は早めに中学3年間の内容を終わらせることによって時間をかけて入試力養成ができるのだ。入試レベル問題を解く力をつけるのに一番時間がかかるので、ここに時間の余裕があるとかなり心強い。
今は良い時代になったもので、スタディサプリやYouTubeなど、映像コンテンツを利用すれば予習も一人でもできる。それでも不安がある人は長期休みの間だけ塾や家庭教師、オンライン講師を頼っても良いだろう。
【地方出身者の大学受験構想】中3時は毎回模試を受ける
一般申込みで中3の6~7月頃から、塾申し込みだとその1~2回前くらいから高校受験合格判定模試が始まる。模試は必ず毎回受けよう。
県によってはいくつかの種類の模試がある県もある。
平均より高い偏差値の高校を狙う人たちが受ける模試、平均より下~平均の偏差値帯の高校を狙う人たちが受ける模試、私立高校用模試など、狙う高校によって受けるべき模試も変わる。
自身に必要な模試を調べ、月に1回は模試を受けるようにしていきたい。
そして、模試を受けた後が最重要だ。
- 模試直し
- 弱点単元の復習
とっても当たり前な内容なのだが、高校受験でここまでやれている人は多くない。
せっかくの模試が受けっぱなしになってしまわないようにしよう。
その際には、ぜひ正答率も見てほしい。
模試はすべて解ける必要はないので、自身が狙うレベルが正解できるよう的を絞って取り組もう。
【地方出身者の大学受験構想】中学時に勉強習慣が作れるかがカギ
中学時は、勉強習慣が作れるかがとにかく重要だ。
小学生の時には学校から出された宿題をこなしておけば良かったかもしれないが、中学時にそれだけやっていても成績は伸びない。
周りからやりなさいと与えられたものだけ取り組んでいては実力は身につかない。
受け身な取り組みではなく、自分からやるべきものを見つけ自発的に取り組み、わからないものは解決するところまでやりきれるか。
こういった姿勢を中学時代に作っておけなければいけない。
中学生のうちにやっておきたいことは以上になる。さあ次はいよいよ高校だ。