「うちもそろそろ塾が必要かな…」「動画学習って一時期すごく話題になったけど取り入れるべき?」「今の塾が合っていない気がする」と、今は選べるツールが多くどれを選べば良いか迷ってしまう。
子どものタイプを考えないで選ぶと、効果は出ず、お金も時間も無駄に使ってしまう。そのため、いきなり始める前に本当に子どもに合っているか慎重に考えたいところだ。
そんな方たちに元塾講師、現オンライン講師で見てきた生徒数が延べ500人以上の生徒たちを見てきた筆者が子どものタイプ別・習熟度別におすすめなものを紹介!
【塾・動画学習・通信教育の選び方】子どもがどのタイプ・習熟度に属しているかチェックテスト
塾・動画学習・通信教育を選ぶうえで、子どもの性格と学習の習熟度を考えないで選んでしまうと無駄に時間とお金を消費してしまうことになる。
チェックポイントは子どもの「性格」「習熟度」「普段の勉強時間」の3つだ。
次からそれぞれのチェックポイントを示していくので、それぞれどこに所属するか確認し覚えておいてほしい。チェック項目はすべてで9つだ。
「性格」×「習熟度」×「普段の勉強状況」の組み合わせでベストなツールを選ぼう。
【塾・動画学習・通信教育の選び方】性格のタイプ別
まずは子どもの性格だ。「家の中の性格」と「家の外での性格」をそれぞれで確認してほしい。
各番号の質問の答えは2択になっている。それぞれの答えで「◯◯型」と名前をつけるので、どの型に当てはまるのかそれぞれの番号で覚えておいてほしい。
答え方の例
各項目の質問は、
①学校や自分自身のことを親に【話す→「シェア型」/話さない→「キープ型」】
上のように書かれている。答えの選択肢には【A/B】という様に書かれているので、AとBの2択のうちどちらに当てはまるか考えてほしい。
これで、「子どもから学校生活や勉強のことなどよく聞いているな」と思えば「シェア型」に当てはまるし、「子どもに学校のことなど聞いてもあまり話してくれないな」と思えば「キープ型」に当てはまるということだ。
これを各番号の質問に答え、それぞれに当てはまった型を覚えておいてほしい。
まずは家の中での性格タイプ分けだ。
- 学校や自分自身のことを親に【話す→「シェア型」/話さない→「キープ型」】
- 「やる」と自身で言ったことを【継続して取り組める→「持続型」/すぐやめてしまうor気持ちがコロコロ変わる→「突発型」】
次に家の外での性格タイプ分けだ。
- わからないものを先生に自分から質問が【できる→「外向型」/できないorしない→「内向型」】
- 周りの友人や環境に【影響されやすい→「パブリック型」/マイペースor自分のペースを崩さず取り組める→「マイウェイ型」】
【塾・動画学習・通信教育の選び方】習熟度のタイプ別
次に、学習の習熟度だ。ここは学校のテスト(小学生なら単元カラーテスト、中学生以上なら定期テスト)を手元に用意して確認してほしい。
- テストで基本レベル(※)は【9割以上取れる→実力養成型/取れていない→基本徹底型】
- 日々の勉強では【予習もさせたい→予習復習型/まずはとにかく復習をさせたい→復習重視型】
※基本レベルとは、小学校のカラーテストであればテストの表面、中学生以上であればテストの前半または知識技能項目が目安。
よくわからない場合は学校の先生や塾等の無料面談でテストを持っていき、基本がどれくらいできているのか見てもらうと良いだろう。
【塾・動画学習・通信教育の選び方】普段の勉強状況のタイプ別
最後に、普段の勉強状況のタイプ別だ。
- 親が「勉強しなさい」と言えば(or言わなくても)【宿題・それ以上に取り組む→自立型/ケンカになるor言ってもやらない→仲介型】
- (小中学生時)親の側で勉強を【する(していた)orできる→オープン型/しない(していなかった)orできない→クローズ型】
- わからないところがあったとき、親が【教えられる→完結型/教えられない→要解決型】
質問は以上だ。全部で9つの型を選んでもらえただろうか。
そして次で、それぞれの型に適した学習ツールを紹介していこう。
【塾・動画学習・通信教育の選び方】結果発表!お子さんに合うのはどのツール?【PR】
ここから結果発表だ。
先程それぞれの質問で、お子さんに当てはまる型を選択してもらっただろう。
学習ツールを、「集団塾(8人以上)」「少人数制塾(8人未満)」「個別指導塾」「家庭教師(オンライン含む)」「動画学習」「通信教育(紙・タブレット)」の6つに分け、それぞれのツールに適した型を紹介していく。
【塾・動画学習・通信教育の選び方】個人に合ったベストツールはこれだ!
ここからは、各ツール別にどのような型がそのツールに向いているのか発表していく。
1つの型でも、いくつかのツールに当てはまるものがある。複数の型の組み合わせでお子さんに合うツールは異なるので、必ずすべて確認し1つの型だけで判断しないようにしてほしい。
一番多くお子さんの型が当てはまったツールがベストなツールとなる。
ツールによっては「持続/突発」のように両方の型が書いてある場合もある。その場合は、どちらの型にも向いていると考えてほしい。
その型には特にこのツールが向いている、という場合には型名の文字サイズを大きく表示している。
【塾・動画学習・通信教育の選び方】集団塾(8人以上):周りと切磋琢磨したいなら。一定以上の学力が付いている人向けツール
シェア、持続、外向、パブリック、予習復習、実力養成、自立、オープン/クローズ、完結/要解決
大人数の集団塾のメリットは、
- 周りに勉強する人が揃っているのでモチベーションに繋がりやすい
- 集団クラスを持つ先生は実力派が多い
- 受験データも豊富で、進路指導にはとても強い
逆にデメリットは、
- 人数が多い分1人1人のきめ細かいケアは期待しにくい
- 基本からわかっていなかったり、自分から質問しにくいタイプは置いていかれやすい
- 大手のところはかなり料金がかかる場合も
周りに影響されやすいタイプは集団に噛み合うと最強だが、1人1人の細かいケアは人数的に難しいところもあるため、基礎から身につける必要がある人にはあまりおすすめできない。
ある程度家でも勉強してくることが求められるので、自宅学習に心配がある人は自習スペース付きの塾を選ぶと良いだろう。
【塾・動画学習・通信教育の選び方】少人数制塾(8人未満):塾が必要になったら最初の選択肢に。集団が良いけど自分から質問しにくい人向けツール
キープ、持続/突発、外向/内向、パブリック、予習復習、実力養成、仲介、オープン/クローズ、完結/要解決
少人数制塾のメリットは、
- 集団塾のメリットも持ちながら、人数が少なめなので講師からの目も届きやすい
- 似たレベルの生徒でクラスが構成されるので集団にしては生徒のレベルのばらつきが少なく、生徒に合わせた指導が受けられる
- 地元の受験情報を塾から得られる
デメリットは、
- 人数が少ない分、周りの生徒との距離も近くなりクラスの雰囲気がクラスメイトに左右される
- 少人数制クラスは学生講師が担当することも大いにありえる(必ずしもそれが悪いわけではない)
基本はある程度身についていて、集団でも大丈夫なら少人数制は特におすすめ。基礎力がない場合は個別指導を進められる場合も。
講師の技量にもよるが、集団ながら個人に気を配ってくれるところも良い。良くも悪くも講師の質が目立つ。
少人数制塾の代表
- 学研教室(小・中・高)
- 国大セミナー(小・中・高)
【塾・動画学習・通信教育の選び方】個別指導塾:基礎を徹底的に身につけたいなら。基礎から身につける必要がある人向けツール
シェア/キープ、突発、外向/内向、復習重視、マイウェイ、基礎徹底、仲介、オープン/クローズ、完結/要解決
個別指導塾のメリットは、
- 個別指導ながら、チェーン塾では手頃な価格で受講できる
- 価格を抑えつつ基礎から見直す必要がある人には最もおすすめ
- 生徒に合ったペースで進めてくれるので周りを心配する必要がない
- 地元の受験情報を塾から得られる
デメリットは、
- 個別指導なため、周りと切磋琢磨する環境ではない
- 家庭教師に比べると生徒の様子は把握し辛い
- 学生講師がとても多い
生徒に合わせた授業や基礎から徹底的に復習する必要があるけど、価格は抑えめにしたい。そんな人には個別指導塾だ。
基礎力が怪しい人は家で勉強しないケースが多いため、とにかく勉強させたい場合も個別指導塾は良いだろう。自習スペースがあると尚良し。
個別指導塾の代表
- 個別指導塾Wam(小・中・高):全国に182教室を展開。個別指導ながらお手頃価格なのも嬉しい。これまで多くの生徒に成績アップを実感してもらってきた自信と、結果に繋がってほしいという強い思いから成績保証制度がある。
- Z会×栄光ゼミナール【大学受験ディアロ】:Z会グループの大学受験専門塾。Z会の映像授業と栄光ゼミナールで培った、個別指導による合格力完全定着メソッドで学ぶ、大学入試のための新しいスタイルの予備校。完全オンラインの大学受験ディアロオンラインもあり、そのサポートは抜群。
【塾・動画学習・通信教育の選び方】家庭教師(オンライン含む):完全オーダーメイド。講師と密に、勉強のあらゆるサポートをしてほしい人向けツール
キープ、持続/突発、外向/内向、予習復習/復習重視、実力養成/基礎徹底、マイウェイ、仲介、オープン、要解決
家庭教師のメリットは、
- プロ講師が多く、家にいながら各科目のプロフェッショナルな指導が受けられる
- 最近はオンライン専門家庭教師も充実し、自由に講師を選ぶことができ塾の個別指導のような感覚で指導を受けられる
- 塾と比べ家庭と講師の距離が近く、気軽に相談できる
- テキストや指導法はその生徒に合った学習プランの完全オーダーメイド
デメリットは、
- 個人の場合、塾ほど多くの受験データを持っていない
- 派遣会社の場合は学生講師の場合もある
- ツールの中では最も高額になる可能性も
最も生徒に多くの時間向きあってくれるのが家庭教師。従来は価格も高いのが常識だったが、最近その知名度を定着させてきたオンライン家庭教師はお手頃価格のものも。
プロ講師が多いので、とにかくその生徒のことを考え、科目だけでなく普段の学習計画、そのサポートまで行ってくれる。親に生徒のあらゆる情報共有をしてくれるのもとても助かるのが家庭教師。
家での学習がメインとなるので、家で学習ができない人は親の協力が必要になる可能性も。
家庭教師(オンラインも含む)の代表
- オンライン家庭教師マナリンク(小・中・高・その他):社会人の講師100%のオンライン家庭教師。(一部院生あり。)塾経営者・ プロ家庭教師・教員免許保持・元教員など、教育のキャリアを持つ実力派揃いの講師が揃う。
- オンライン家庭教師Wam(小・中・高):全国に個別指導塾を182教室展開するWamのオンライン家庭教師版。オンラインでも安定の成績保証制度あり。個別指導塾で全国展開なだけあり、料金もリーズナブル。
【塾・動画学習・通信教育の選び方】動画学習:有名講師の授業を格安で。自立した学習ができ、自在な進度で学習をしたい人向けツール
シェア、持続、外向、マイウェイ、予習復習、実力養成、自立、オープン/クローズ、完結
動画教育のメリットは、
- ツールの中では最も安く複数科目をカバーできる
- 場所を選ばず、有名講師の講義をどこでも受けられる
- 自分のペースで過去学年に戻ったり、かなり先取りをしたりと自在に進められる
デメリットは、
- かなり人を選ぶツール
- 基本的に自分で進んで取り組める人しか向いていない
- 対人ツールではないため、わからない問題がうまく解消できない可能性も
ドラゴン桜2で一時期ブームになった動画学習は、自立した学習ができている人には最強ツール。安価で各科目の有名講師の授業が受けられ、地方の学生の強い味方にも。
また、価格が安いので他ツールと併用しても良さそうだ。
しかし、自分から進んで取り組む勉強ができない人や誰かに見ててもらわないとやらない人には放置されてしまうこともありえる。
動画学習の代表
- スタサプ(小・中)/【スタディサプリ】動画授業で苦手を克服(高):ドラゴン桜2の影響もあり、その名を広く知られたスタディサプリ。なんと5教科すべての動画が見放題で月額2,178円という圧倒的な価格。
それでいて、講師は有名講師陣が揃っている。まずは14日間無料体験で始めてみてはどうだろうか。
【塾・動画学習・通信教育の選び方】通信教育(紙・タブレット):学校学習のサブツール。日々の家庭学習に1つ加えたいものを探している人向けツール
シェア、持続、外向、マイウェイ、復習重視、実力養成/基礎徹底、自立、オープン、完結
通信教育のメリットは、
- 最近ではタブレットを利用したツールも多く、自動採点してくれ学習の面倒なところをサポート
- タブレットではAIが判断し、日々のやるべき内容を決めてくれる
- 日々の学習のサポートの位置づけで、参考書や問題集代わりになる
デメリットは、
- 動画学習同様、自分から勉強に取り組む姿勢が必要
- 親から日々の声がけや見守りが必要になる場合も
- 対人ツールではないため、わからない問題がうまく解消できない可能性も
通信教育は普段の学校の学習を基本~応用まで得意・不得意に合わせて対応してくれるツールだ。他ツールと違い、中学では9科目カバーしてくれるのも心強い。
最近は専用タブレットを用いるものが多く、AIが生徒の苦手を判断し、効率的な学習をさせてくれる。
「自宅学習でどれを勉強すれば良いかわからないし、ペース配分もよくわからない」という人にとてもおすすめだ。先取り学習で使っている人もいるらしい。
こちらも自宅学習がメインとなるため、家でコツコツ勉強できない人には向かない可能性も。
通信教育の代表
- スマイルゼミ(幼児・小・中):タブレット学習で、紙媒体より抵抗が少なく取り組めると好評。全科目の学習をタブレット1つで行うことができ、他ツールから移ってきた人の声もよく聞く。
- 【進研ゼミ小学講座】/【進研ゼミ中学講座】/【進研ゼミ高校講座】:教育業界を長年引っ張っているベネッセの通信教材。昔は紙媒体のみだったが、今はチャレンジタッチという専用タブレット中心の方法も選べ、オンラインライブ授業や入試対策教材も豊富。
【塾・動画学習・通信教育の選び方】子どもに合ったツールで成績アップを目指そう
勉強ツールが必要になったとき、その選択肢は意外と多い。
そのため、始める前に子どもに合ったツールを見つけ取り組んでいってほしい。
始めるタイミングは、「あれ、そろそろ必要かな?」と思ったときだ。本気で必要になった時だと手遅れな場合が多い。
勉強を始めて、結果が出るまでにも時間がかかることが多い。急激に点数が伸びる方が稀で、分野分野で結果が出てきているか見てあげてほしい。
例えば、数学では「計算ミスがなくなった」とか、英語では「中1の文法部分は正しく書けるようになった」など、点数ではなく中身で褒めてあげてほしい。
親にとっては、子どもが頑張っているのであれば一定時間耐える期間も必要だ。
あまりコロコロとツールを変えてしまうと、効果が出るものも出なくなってしまう。
この記事を読んでくれた人たちの成績アップを応援しています!!