「難関大を目指す地方出身者が各学年で考えておくべきこと」の最終章です。
地方に住む学生も、大学受験で希望の大学に進めるための準備をしておいてほしい。
その一心でここまで小学生時にやっておくべきこと、中学生時にやっておくべきことを伝えてきた。
学生自身にも取り組んでほしいこと、そして親御さんにも協力してほしいこと、それが各時代で異なる。
高校受験が終わり、進学校が決まったらぜひ次を読み進めてほしい。高校生になる前に読んでおくことをおすすめする。
高校の勉強は、スタートが肝心だ。出だしで遅れると、取り返すまでに莫大な努力を必要とされる。
【地方出身者の大学受験構想】高校生のうちはここを意識!
いよいよ高校生だ。高校生から大学受験に備えれば良いと考える人もいるかもしれないが、高校時代はあくまでもこれまでの勉強の延長線上にある。
言わば、これまでの勉強の集大成だ。
小・中学生の取り組みができていない人がここからいきなりできるようには決してならない。必要なら過去に遡ろう。
高校生のうちにやっておきたいこと
- 高1で文理・国立私立・志望校・志望学部を考える
- 量を日々こなす必要あり
- 計画的に取り組み内容を記録に残す
- 標準レベルまで習ったら自分の手で応用レベルまで持っていく
- わからなくなり始めたらすぐ人に頼る
難関大レベルまでに持っていきたいのであれば、特に4つ目が重要だ。
【地方出身者の大学受験構想】高1で文理・国立私立・志望校・志望学部を考える
高1と言わず、高校受験を終えて進学する高校が決まったらいよいよ大学のことを考え始めたい。
将来やりたい仕事はあるか、それに繋がる学問は何か、興味のある学部はどこか。
興味があるものがなかったら、目標とするレベル帯だけでも考えておきたい。
国立私立どちらを志望するのか、狙うレベルは旧帝大、中堅、早慶、マーチ、日東駒専などどこにするのか。
やっと高校入試が終わったばかりなのに…と思うかもしれないが、いざ高校に入学すると高1から進路指導はあるものだ。
では何のためにこんなに早く考えるのか。
それは、志望する大学によってしなければいけない準備がまったく異なるからである。
【地方出身者の大学受験構想】予め志望校を考えることにより効率的な対策を
国公立か私立かでも要求される科目数が全く違うし、また大学によって出題傾向が全く異なる。必要とされるレベルや技量を予め知っておき、早いうちにそのレベルへ持っていくためのルートを考えよう。
また、選抜方法も今は多くの選択肢がある。
一般受験や指定校推薦(高校によって受けられる大学は異なる)、総合選抜型入試など、受験方法も非常に様々だ。
また、高校によっては指定校推薦を受けられるのに成績以外の条件がある場合も実はよく聞く。部活に入っている人優先だとか、その大学に入る学力が十分あると判断されれば実力では厳しい方の人に推薦枠が移ってしまうとか。
こういったところも高校に入学したら先生に確認してみると良いだろう。
気になる大学の受験方法も調べてみてほしい。一般受験以外に自身に合う受験方法があるかもしれない。
【地方出身者の大学受験構想】量を日々こなす必要あり
中学生時にどれだけ勉強をしてきたか。その差がここに一番大きく出る。
高校受験が終わった途端に勉強をしなくなってしまい、その状態を高校生になってもズルズルと引きずってしまう人がいるが、それだけは絶対に避けたい。
高校でこなさなければならない勉強の量は、中学のそれと比べられない位に多い。
科目数がそもそも多いし、1つの教科をとっても学校で与えられる問題集に含まれる問題数の多さといったら。
筆者が過去に持った生徒の中で、定期テストの数学のテスト範囲が問題集ノート70ページ分だったことを覚えている。この量をテスト2週間前から始めていては終わるわけがない。
70ページただ終わらせれば良いのではもちろんなく、これを「テストで点が取れるように」勉強しなければならないのだ。
70ページを1周しただけでテストで点が取れるわけないし、人によってどれだけ繰り返さなければならないか、理解に時間がかかるか異なる。
70ページ分の内容の知識を十分に使いこなせるようになるためにはどれくらいの量をやる必要があるか?ということを想像してみてほしい。
また、これは複数教科のうちたった1教科でしかない。1回の定期テストで10科目の試験があることだってザラだ。高校でやるべき量の多さが実感できるだろう。
【地方出身者の大学受験構想】高校時は計画的に取り組み内容を記録に残す
これは前述の内容とも大きく関わる内容だ。高校生では、常日頃から計画的に勉強していくことが求められる。
無計画で勉強していては定期テストすら戦うことができない。
日々の勉強計画表に加えて、日頃取り組んでいるテキスト別に「いつ」「何ページを」「解き直しが必要か」を別で管理しておくのが良さそうだ。
高校内容は科目数も多ければ各教科で扱うテキストの数も多いので、相応の自己管理力が求められる。
高校生は自分の勉強を自身で管理できることが大前提だ。
これまでの勉強を通じて、自身に合った勉強法で量をこなし、時間を有効に使うために取捨選択しながら日々取り組む。これを自分で判断して取り組めるかどうかで高校1年時でかなりの差となるだろう。
【地方出身者の大学受験構想】高校時は標準レベルまで習ったら自分の手で応用レベルまで持っていく
難関大を目指せる人かどうかというのはここで判断がつく。
高校の教科書と問題集を1度見比べてもらいたい。
教科書は公式から例題、そして応用例題へと内容が発展し、授業も教科書に書いてあることに沿って進められる。
その一方、問題集はA問題、B問題、演習(総合)問題と問題が構成されているが、B問題以上のレベルでは教科書に載っている応用例題をそのまま真似すれば解ける問題はほんの一握りしかない。
大部分のB問題以上のレベルの解き方は授業では事細かに習わないし、それまでに習った基本と応用、過去に習った単元の知識を組み合わせて自分で解法を理解していかなければならない。これが何題もある。
こういったB問題は初見ではほとんどの人が解けない。ただし、その後の取り組みが難関大に行ける人と行けない人でまったく違うのだ。
【地方出身者の大学受験構想】初見問題を解けないのは当たり前である
初見で解ける問題なんてほんのわずかしかないのが当たり前と思ってほしい。
わからない問題はどうアプローチすべきだったか、解答の1つ1つの手順を見返して何をしているか、なぜその解法なのか理解する必要がある。
あやふやだったところを1つ1つ明らかにする取り組みは、非常に地道な取り組みだ。そのため、わからない問題に出会うと逃げたくなる気持ちはよくわかる。理解するまでが本当に苦しい。
しかし、その地道な取り組みを何度も何問も繰り返し、理解しながら解くだけの粘り強さがあるか。
難関大を目指せる人はそんな苦しさがあっても理解すべく取り組むことするし、そうでない人はわからない問題に出会うとわかるまで取り組もうとしない。誰かに説明してもらえばわかるかもしれないが、自分から「わからない」を解決しようと取り組むことをしない。
問題が解けるかどうかではなく、わからなかったものを理解し解けるまで粘り強く取り組めるかどうかの差だ。
これが当たり前にできる人は本当に少ない。
【地方出身者の大学受験構想】高校時はわからなくなり始めたらすぐ人に頼る
高校受験を終えて一度塾から離れる人も多いのだが、「途中わからなくなっても高3から塾に入ればなんとかなるでしょ」となんとかなるものではない。
わからなくなってきたなと感じ始めた時が誰かの助けを得るべき時だ。
高校で学ぶ内容は、1度躓くと後になればなるほど取り返しのつかなくなることを覚えていてほしい。
すぐさま学校の先生なり塾なりに出向いて、わからないところを1から教えてもらってほしい。
早いうちに自身に合う先生を1人見つけておけると良いだろう。
高校時にやっておきたいことは以上だ。
【地方出身者の大学受験構想】どの大学へ進学できるかはそのもっと前からの取り組みで決まる
小学生に始まり、高校生までの各学年でやっておくべきことを読んでいただくと、意外と高校生の内容の方がシンプルに感じる人もいたのではないだろうか。
確かに高校で習う勉強内容が一番難しいし、量も中学までの量とまったく比にならないのだが、勉強への取り組み方としては高校時代はこれまでの集大成にしか過ぎない。
難関大へ進む選択肢を残しておきたければ、そのもっと前から難関大へ挑戦できるだけの土台を作っておかなければならないことを知っておいてもらればなによりだ。
都市部の教育に対する関心と熱量は地方とは本当に比べ物にならないので、難関大を視野に入れている地方出身者はとにかく自身で意識高く持って取り組んでいかねばならない。
地域によっては勉強に関しては本当にのほほんとした環境で、その中で頑張り続けなければならない孤独さも地方ならではだと感じる。
ところが今はネットで情報を得られるようになり、オンラインで学べるようになったりと、ネットが発達した今の時代は地方出身者にとってこれらはかなり心強い見方だ。これらの資源も上手に利用してほしい。
地方出身者の難関大挑戦を心から応援している。