この記事をクリックした人は、勉強のやる気の出し方を出す方法を探している人に違いない。
「勉強するぞ!」と意気込んでも、最初の1日はやったとしてもすぐに取り組まなくなってしまう。
そして「これではダメだ」と思い直して、再び「今度こそは勉強するぞ!」と決め、2~3日後にはまたやらなくなってしまい…
そんな人たちを何人も見てきた。
そして彼らはやがて、「勉強のやる気が出ない」とやる気の出し方を探し始める。
これを読んでドキッとした人もいるのではないだろうか?
では、そんな人達に勉強のやる気の出し方を教えよう。
「勉強するためのやる気」などない。「勉強するからやる気が出る」のである。
…ガックリしただろうか?でも、これが真実だ。
心の準備ができたら、次からを読み進めてほしい。
勉強のやる気を探すのをやめよう。では何をすべきか?
生徒の親御さんから、そして生徒自身からもよく聞く勉強のグチが、「子どもが勉強しない」「勉強のやる気が出ない」だ。
そして、「今は○○があるから」「夏休みになったら心を入れ替えてやる」と今やらないことに理由をつけて勉強に本格的に取り組むことを先延ばしにしようとする。
しかし、いざイベントが終わっても、やるべき時が来ても結局ダラダラとして時間が過ぎてしまう。
心当たりがある人も結構いるのではないだろうか?
なぜこうなってしまうのか。
それは、「勉強するためのやる気」はその時になれば出ると期待して待つのは間違いだからだ。
それでは、どうしたら良いのだろうか?
独学に関する辞書「独学大全」によると、「やる気があるから勉強」をするのではなく、「勉強するからやる気が出る」のだそうだ。
独学大全の各章は「無知君」と「親父さん」という2人の会話から始まる。
その中に、こんな記憶に残る会話シーンがあった。
親父さん「世間の親も子も、やる気から入って勉強させようとするから失敗する。…やる気は、行動→いい結果→やる気→行動→いい結果→やる気→行動…という好循環の中で生まれるものだ。」
独学大全
つまり、「勉強をするためのやる気を出すには、勉強しなければいけない」ということである。
やる気を出す魔法を探している人に取ってはなかなか受け入れがたい事実だろう。
他の可能性はないか、探してみたくなってくる。
勉強へのやる気に関する読み物に関する真実
「小学生の子が勉強にハマる方法」や「ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣」、「STUDY HACKER」など、勉強に関する本や記事を読んでいると、どれも最終的には「勉強の1歩をどう踏み出すか」ということに話が進んでいることに気付いた。
この事実は、「やる気があるから勉強するのではなく、勉強するからやる気が出る」ということを後押しする事実のように思える。
「勉強のやる気」にはエンジンがある
「『やる気』を科学的に分析してわかった小学生の子が勉強にハマる方法」によると、「やる気」のエンジンは「動機づけ」にあるという。
動機づけには「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」の2種類あり、持続する学習を実行するためにはそのうちの「内発的動機づけ」というものが必要である。
「内発的動機づけ」というのは、行動を起こす理由が「怒られるから」「報酬が出るから」といった外部にあるのではなく、「前よりできるようになりたい」「もっとよく知りたい」といった知的好奇心や向上心が根拠となる動機づけのことを指す。
そして、この「内発的動機づけ」を高めるのに大切なのが「自己効力感」だそうだ。
自己効力感というのは、「自分はやればできる」という自身の可能性への自信のこと。
ではこの「自己効力感」をどうやって育てられるかというと、成功体験を積み重ねることが一番効果的だとわかっている。
できるかできないかわからないものができた時、大きな達成感を感じることができる。それが成功体験だ。
この成功体験というのがなかなかの肝で、簡単に解ける問題を解けたところで成功体験にはならないし、難しすぎる問題をいきなりは解けるようにはならない。
そこで、「解けるかどうかギリギリのレベルの問題」を解けることを積み重ねることを成功体験と定義してみよう。
それでは、どうすれば「解けるかどうかギリギリのレベルの問題」を解くことができるか?
薄々感づいてきているのではないだろうか。
それには、やはり勉強するしかない。
勉強するやる気を出すためには勉強するしかない
…。言いたいことはよくわかる。ソレジャナイ感満載だ。
「勉強するやる気を高める方法」を知りたかったのに、それを解決する方法が「勉強する」ことだなんて。
でも、これは紛れもない事実だ。
甘んじて受け入れよう。腹を括って勉強しよう。
そこで、1つ提案がある。
やる気を出すには勉強をするしかない。
したがって、「やる気の出し方を探す」ことから「勉強に取り掛かるハードルを下げる方法を探す」ことに目的をシフトしよう。
どうせやらなければいけないのだから、勉強に取り掛かるハードルをとにかく低くする方に意識を向けるべきだ。
勉強に取り掛かるハードルを下げる方法
勉強に取り掛かるハードルを下げる方法はこれだ。
- やるべき量を1/100(または1/10)にして今すぐ取り組む
- 時間を測り、2分間だけやってやめる
書いてあることはとてもシンプルだ。
しかし、これらは人間の心理を非常にうまく利用して作られている。
詳しくは、次の記事を読んでほしい。
これらだけでなく、他にも勉強に取り掛かるハードルを低くする方法を紹介している。
勉強のやる気を出すための勉強を今から始めよう
なかなか受け入れがたい事実だが、「勉強のやる気を出すには勉強するしかない」というのは正しいように思う。
1つ、筆者が受け持っている生徒の例を紹介しよう。
1年ほど受け持っている生徒なのだが、受講開始時は勉強に対してかなりネガティブな姿勢だった。
- 中2
- 過去に親が英検3級を申し込んだものの、当日はズル休み
- 学校の定期テストは平均以下
- 習い事や塾は何かのきっかけで嫌になると絶対に行かなくなる
なかなかの勉強嫌いの生徒なようで、開始当初は親御さんと相談して、まずはレッスンで一緒に勉強する機会を増やしてもらい、徐々に宿題をやってもらえるようにシフトしていった。
すると、少しずつできることが増えていき、なんと過去にズル休みした英検も準備期間2ヶ月で合格したのだ。
英検合格というのは、この生徒によって大きな成功体験だった。
ここから、この生徒の様子がどんどん変わっていった。
- 英検準2級に合格
- 学校の定期テストは学年順位1桁を取るまでに
- 高校は最上位の特進クラスを目指して奮闘中
自分で努力した結果が、英検合格という勉強すれば結果に結びつくという大きな自信(自己効力感)を与え、そしてその先もさらにできるようになりたい(内発的動機づけ)と生徒を変えたのだ。
この他にもたくさんの事例もあり、「勉強するからやる気が出る」というのは正しいことに思う。
まさに、「①行動(勉強)→②いい結果→③やる気→④行動(勉強)」だ。
人々が探し求めているのは、④ 行動(勉強) のための ③やる気だった。
しかし、それを得るには ①行動(勉強) が必要なのだ。
さあ、勉強するために勉強しよう。